FET差動アンプを使ったPower Amplifire の製作(1)

5年以上前に製作したLM3886パワーアンプを引っ張り出してみました。
片チャンネルの音が出ません。
アナログモジュラーシンセを製作する直前に製作したもので、中途で製作放棄したものでした。
気になっていたこともあり、今回、改めて製作することにしました。
諸種問題もありますがLM3886を交換するし多少の定数の変更で完成するはずですが、それだけでは面白味もありません。
そこで今回は、40年近く前に構想していたアンプを実現することにしました。

このアンプでは、気持ち良く音楽を聴くことを念頭に置いています。
付属の回路として、6点の補正ができるラウドネスコントロールを装備しています。
パワーアンプの回路の前には、ブートストラップ付きエミッタフォロアを置いています。
パワーアンプは、µPA63Hを初段に使用したFET式(笑)で、2段増幅の後、バイアス回路を経てMOS-FETによる終段に入ります。
パワーアンプ本体は、DCアンプですから初段はFETとなります。
2段目は、バイポーラトランジスタよる差動増幅回路としました。
通常はこの出力にバイアス回路が付き、その後ドライバー段を経て出力トランジスタに入りますが、今回はドライバー段と温度補償が必要のないMOS-FETを使用します。
また、2段目の差動増幅回路は通常、アンバランスで動作します(片方の出力は使用しない)。
しかし、本機では2段目の差動増幅回路もバランスで動作させ、出力段を二組持つBTL接続を構成しています。
このような構成のアンプの発表例は、インターネット関連で1例、雑誌における製作記事でも1例しか見当たりませんでした。

以下、続く。