自作オーディオの世界の新興宗教

SpyBreak2005-08-11

6月26日のモニターアンプ設計(6)でも述べたが、スピーカーを道連れにする危険なオーディオアンプを設計する人がいるようだ。
そして、そんなアンプに限って、妙な信仰者が現れる。
設計者は、功を鼓舞したいのか、どうだと言わんばかりに奇妙な名前をつけ、始末が悪いことに信仰者は「さすが」と持ち上げる。
そのひとつが「完全対称」と呼ばれる回路である。
内部抵抗が比較的低い真空管式OTL回路と比較して欲しい。
上が完全対称と呼ばれる回路で、下が有名メーカーの真空管式OTLアンプである。(←クリックすれば実際の回路図をご覧いただける)


訂正
上の回路図の一部に誤りが在る。
出力Tr周辺は正側と負側は同じ回路になる。
すなわち保護回路の検出抵抗はファイナルTrのエミッタに接続され、同じく出力からプリドライバーTrのベースに接続される抵抗はプリドライバーTrのベースではなく、保護用Trのベースに直接接続される。


信者に言わせると、1966年に発表された真空管式OTLアンプを「完全対称に含まれます」などと平気で仰るのだろう。
ちなみに、意地悪く、球のOTLアンプの方はムラード型位相反転回路を差動増幅回路らしく書いておいた(実際に、この位相反転回路は差動増幅器そのものなのだ)。
こういうものに振り回されて音が良いとスピーカーのボイスコイルが焼かれる事故を心配しながら製作したアンプを凝視しながら音を聞くも良し、ありきたりの回路だが堅牢に作るも良し。
私は、迷わず後者を選択するのであった。