Fixed Filter Bank の製作

アナログ・シンセサイザー・ビルダーズ・サミットに参加した直後に製作したのが、このFixed Filter Bankです。
当初、グラフィック・イコライザ用ICを使って、同等のものができないか模索していました。
しかし、無理があるということから断念し、moogと同等の回路を製作することにしました。
moogのモジュラーシステムでは、コイルとコンデンサを使って実現しています。
そのコイルのインダクタンスは、最大で5Hであり、非常に大きなものになります。
また、そのまま作ったのでは、面白味もありません。
そこで一部をオペアンプに置き換え、更に恐らく各フィルターの中心周波数にも影響を与えるであろうバッファーアンプと各フィルターの間にあるVRの位置をフィルターの後に変えるなどの変更を加えています。


これが回路図です。
バッファーアンプの後にハイパス/バンドパス/ローパスフィルタを通った後に、レベルを確定するVRを経て、出力バッファーへと送られるという構成になっています。
バンドパスフィルターは、2次フィルタを2段シリーズに接続した-24dBのものです。



実装は例によって、KiCADと感光基板を使用した手作りプリント基板ですが、思ったよりも部品数が多く、密度が上がってしまいました。
なお、このFixed Filter Bankは、初めてプリント基板を2枚使用したモジュールになっています。
製作を終え、データを取ってみると、低域(Low Pass)に意図しない特性が出てしまいました。
原因を突き止めることになりますが、ここで腎臓結石による1度目の入院・手術ということになり、一時中断になってしまいます。
しかし、気になり、病室にまで回路図を持ち込んで検討した結果、一部に定数の不適切な箇所が見つかります。
退院後、即座に修正しました。



その結果得られた特性の一部です。
Low Pass / High Pass 共にピークを生じていますが、アッテネートして使用するものでもあることから、これでFixとしました。

作業中、お腹が痛かった記憶だけが残っています。